顔が命!

お人形の顔は命。

我々の年代の人々の自宅にあるピアノの上にはケースに入ったフランス人形が置いてあった。ピアノを買ってもらった時に、祖母と母と一緒に高島屋のお人形売り場にフランス人形を買ってもらいに行った事思い出した。

その時の選ぶポイントは、子どものときは、ドレスの色、白かピンクが欲しかったのを覚えていた。祖母や母はその顔の表情を優先して選んでいたように思う。

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高校生になり、伯母が、自分に市松人形を買いたいからと一緒に買い物に付き合ってほしいと言われ、伯母と一緒に四条の日本人形のお店へ行った。息子しかいない伯母は、私を実の娘の様にかわいがってくれていたので私も大好きだった。

女の子である伯母は、お人形を選ぶ時とても可愛く乙女の姿だった。その時のあまりに可愛い姿が印象的で自分もいくつになってもこの気持ちを忘れてはいけないと思った。

着物の柄の出方でもお人形の顔の表情が違ってでる。それぞれ手書きの顔だから同じ様に見える顔の表情だが口元の表現や着物の色や着せ方によっても千差万別。お人形の買うという楽しみ選ぶ時の楽しみ方など教わった。

買われる人形も魂があるとお店の方もおっしゃっていた。ホントに?怖いなんて思っていた。

お店の方のお勧めの人形の作家さん、お人形の顔も美人の市松人形。素晴らしい方の作品で高価なものであったのを見せて頂いた。

今までテンションもあがり楽しみにお人形を眺めると、「この人が家にきたら、寂しくなりそう」、「どことなく寂しそう」という風に感じた。

それは、高校生であった私の目が肥えてなかったのかとも思ったが、一流のものを目にしていた伯母も同じく感じ、感じたことを口にした言葉も同じだった。

お人形が家に来たら、嬉しくなるのがふつうだったが、このお人形が伯母の家に来て私もそのお人形を顔を合わせることになると考えると・・と思うとそんな言葉が出た。

お人形もきっと自分の家になるところを選び、我々の所には行きたくなかったのでそんな顔で「行きたくない光線」を出して抵抗していたのかもしれないと思った。魂があってもいいかなと怖くもなく素直にそう思えた。

和歌山にある人形のお寺で有名な淡島神社。http://www.kada.jp/awashima/Link

お人形を手放す際も魂があるお人形に感謝の気持ちと手放して申し訳ないの思いを持っている日本人の心から生まれたのがこの神社であるように思う。お人形を供養したいと思う人々が今もこの神社を訪れ年間数百以上のお人形が届いているそうだ。

数年前からお雛様を自分で買おうと決めていた。しかし、これと決めてもなかなかうまく手はずが整わなかった。ふとしたことに、このお人形が現れた。京雛人形をずっと探していたのに、このお人形に目と心が釘点けになった。一目ぼれ。お雛様のお顔以外にも三人寛恕の一人の顔もなんともいえない愛らしい顔が好きになった。

主人は、「今更ながらなんで?」と邪魔になると言わんばかり。次男は「女の子いないのになんで?」とそっけない言葉で私を責めてきた。その言葉にあれこれと返しながらも、一緒に荷解きを手伝ってもらいながら、お人形を選ぶ時の楽しみの話、着物の柄の話など私の思うこのお人形の愛らしさを話し終え、お人形を飾った時の主人と次男の見る目が変ったのに驚き。先ほどまでのそっけない態度はどこへ行ったの?お人形の魂が通じ、家族の一員に加わった。うちのお雛さん皆さんにはどう映ってまっしゃろか?

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今年の3月3日は、うちのお雛さん綺麗にデビューを飾ります!乞うご期待!

お内裏様とお雛様の位置が逆なのが少し変な感じもするが、これは江戸で作られたお雛さんなのであえて、我が家は位置をそのままにして飾る事にした。

— posted by 奥井祐子 at 10:44 am   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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